准教授

鶴本 花織

Kaori TSURUMOTO

専門: 社会学、カルチュラル・スタディーズ

1971年名古屋市聖霊病院にて誕生。7歳~15歳をアメリカで過ごす。国際基督教大学付属高校(ICU高校)および国際基督教大学(ICU)を卒業後、渡英する。サセックス大学にて修士号(メディア論)、ロンドン大学ゴールドスミス校にて博士号(社会学)を取得。帰国後、慶応義塾大学・早稲田大学などで非常勤を経て、現職に至る。

詳しい経歴

高度なリテラシー・スキルを身につけよう。

ネット社会の発達により、地球の向う側の日常を、わざわざ飛行機に乗って行かなくても見聞できるようになりました。しかし、ネット情報の恩恵を享受するためには、ネット社会の国際語である英語を習得することが必須ですし、また、海外を体験することも必要でしょう。高度なリテラシー・スキルを皆さんが身に着けるお手伝いができれば幸甚に感じます。

専門分野

社会学が専門です。小・中学生の8年半、どっぷりアメリカ生活を送っていたせいか、「日本人とはなんぞや?」ということに疑問を抱くような子でした。それが興じて「文化」や「社会」に広く関心を持つようになり、社会学に感興がわきました。

社会学(おしなべて言えば社会科学全般)は19世紀に創生された学問群ですが、時代によってその学流は違います。学生時代の私はポスト構造主義のフランス人社会学者であるミシェル・フーコー(1926-1984)の思想に傾倒しました。今でもフーコーをリスペクトしてやみません。

学科で教えていること

博士研究は明治日本に関する内容だったのですが、教員になってからはアメリカや(日本の大学を卒業してから7年ほど滞在した)イギリスの文化や社会に関する内容を教えることが多いです。

具体的には、「カルチュラル・スタディーズ」「メディア論」「ジェンダー論」などの講義科目を担当しています。「カルチュラル・スタディーズ」と「メディア論」の内容をそっくりそのまま英語で行う講義科目の「Governance Advanced」と「Literacy Advanced」も担当しています。

ゼミのテーマ

基礎ゼミテーマ: アメリカ黒人解放史

かつて黒人を奴隷と見なしていた国家の最高責任者に、その民族的血筋を引いている人物がなりました。少数民族の社会的立ち位置がほんの150年でここまで変わるなんて、本当に凄いことだと思いますし、アメリカ史のダイナミズムを感じざるを得ません。 この歴史の裏で、多くが戦い、泣き、笑い、耐えました。これらのドラマを一つ一つ掘り起しながら、英語力(とりわけ英文法と翻訳スキル)とディベート力の強化を図る課題に取り組んでもらいます。

専門ゼミテーマ: サブカルチャー研究

次世代を創造する人たちは、案外、当代の異端児だったりもします。(例えば、マイクロソフト社のビル・ゲイツやアップル社のスティーブ・ジョッブスも。)だったら、はみ出し者のことを研究しちゃえっ!という発想のゼミナールです。 授業では、まずは過去の「サブカルチャー(=はみ出し者の文化)」を把握していきますが、その数と内容の豊富さに驚くこと間違いなしです。過去に存在していた多くのサブカルチャーを比較対照し、その未来性や良し悪しを一つ一つ検討し、視野を広げていきます。

過去の学生のゼミ論文

  • 「女装サブカルチャー」(2018)
  • 「カニバリズムの倫理性ー『野火』をめぐって」(2017)

主な著書

  • 『トヨティズムを生きる』(共編著、2008年、せりか書房)
  • 『Elections as Popular Culture in Asia』(共著、2007年、Routledge)

最も影響を受けた書籍

幼少の私は立ち読みならぬ歩行読みをしながら下校するような子でした。シリーズ作品を読破するのが特に好きで、一番最初にハマったのが「ナンシー・ドリュー探偵物語(Nancy Drew Mystery Stories)」でした。これは、1930年から2003年にかけて合計175冊が発表されたアメリカではよく知られている児童文学シリーズです。私がこの作品に夢中になっていたのは10歳の頃でしたので、とうじ発表されていたのは60冊くらいまででした。イチゴ色がかった金髪の毛と青い瞳という容姿の女子高生ナンシー・ドリューが、自身の推理力と機知を働かせて事件を鮮やかに解決する、といった粗筋から、女性として自立的に人生を歩む像を幼少の私は学びとっていたのでしょう。