准教授
後藤 希望
Nozomi GOTO
専門: マスコミ・報道
1965年岐阜県美濃加茂市生まれ。英国レスター大学メディア・コミュニケーション学科修士修了。1989年英国ロンドン大学ゴールドスミスカレッジ在学中からNHKロンドン支局で報道や中継番組制作に関わり、それ以降フリーランスのリサーチャー・コーディネーターとして、現在も、オリンピック、パラリンピックなどの番組制作に携わっている。
詳しい経歴世界の舞台で発揮できる実践力と自信をあなたに。
道具としての英語による発信力と和訳力を身に付けているだけでは、世界の舞台に立つことはできません。多角的に物事を見る力と洞察力を養う学びを一緒にしませんか。
専門分野
専門分野は、各メディアが「何を」「どのように」「なぜ」報じるか、事象によっては、何を「あえて」報じないのかという、伝える側の情報内容分析、および、その情報を受け取る側の影響分析です。例えば、情報がどのように収集・編集され、発信されるのかは、同じ事柄を伝える放送局、新聞社、出版社などで異なります。一方で、伝えられる内容が個人にとって、あるいは社会にとってどのような意味を持ち得るかを研究しています。
学科で教えていること
メディア論やジャーナリズム論に基づいた科目を教えています。報道の現場で得ている体験をケース・スタディとして紹介しながら、調査報道などもより身近に感じてもらう授業をしています。授業で取り上げるトピックによっては、NHKのディレクターやプロデューサーに自分の番組を教材にして、教壇に立ってもらうこともあります。
英語を道具として使いイギリスの大学で学び、そして、今も世界の取材現場で仕事をしていることから、道具として使う英語力を高める授業もしています。題材は英文ニュースで、取り上げるトピックは、時事、国際、社会問題、スポーツなどです。
担当科目
ジャーナリズム論(専修科目)、ジャーナリズム(世界教養プログラム)、 リテラシー演習:ジャーナリズム(専修科目)、LAGSE Advanced (LAGSE)、Literacy Comprehension A:Media(LAGSE)、Literacy Comprehension B:Culture(LAGSE)、Advanced Grammar (Applied English)
ゼミのテーマ
専門ゼミテーマ
『Critical Thinking :多角的な視点から物事を考察・検証する力を養う』
様々な情報が飛び交う現代社会で、最初に受け取った情報を鵜呑みにするのではなく、多角的に考察、検証し、“活用する力”=メディア・リテラシーの「基礎力」養成を目指します。国内外の放送局で制作された番組やニュース、国内外の新聞記事、書籍、映画などをケース・スタディとして取り上げます。テレビ番組は、ニュース、ドキュメンタリーなどの報道番組だけでなく、情報番組、バラエティ番組も含みます。また、CMも取り上げます。メディア論に照らし合わせながら、各メディア組織の仕組みや特徴、そして社会における役割も理解しながら、各媒体が発信する情報を多角的に分析していきます。新聞、書籍、テレビ、ラジオの歴史そして今後のあり方も併せて考えます。授業の内容に関連した文学、音楽、美術、アニメも取り上げ、high cultureからpopular cultureまで素養の幅を広げるきっかけにもします。
専門ゼミテーマ
『的確に表現し、確実に伝える』
映像制作者がそれぞれの立場で担っている「表現」を学びます。与えられた“尺”(時間)の中で「どのように伝えたいことを最高に表 現」 するかが、各担当者の使命です。映画や番組の映像分析をしながら、それぞれ(演出、カメラ、照明、編集、音効など)の表現技法を知り、様々な演習を通して「表現する」ことを学びます。就職活動で、社会人として、あるいは個人のSNS発信に応用できる『情報発信・表現』スキルを養うことが目標の1つです。
また、専門ゼミでは、担当プロデューサーやディレクターと直接意見交換ができるNHK制作のドキュメンタリー、ニュース企画を取り上げます。ジャンルは社会、文化、経済、科学、スポーツ、音楽、福祉と多岐に渡ります。
3年次後期終盤で、専門ゼミの集大成としてどのようなドキュメンタリー作品(または研究レポート)に取り組むかをゼミ生が決め、4年次に完成させます。
ゼミ生制作のドキュメンタリー作品の例
- 18生『あなたはひとりじゃない』(岐阜県可児市)
- 16生『時代と共にいきる』(愛知県名古屋市緑区有松)
- 15生『いいね!❤️👍🏼よりいいもの』(2017年世界コスプレサミット)
- 14生『縁』(愛知県北設楽郡設楽町田峯)
- 12生『目に見えない大切なもの』(愛知県北設楽郡豊根村)
- 11生『ひょうたんに込められた愛』(岐阜県養老町)
主な著書
- 『図解で学ぶクリティカルシンキング』(共著、2021年、アルファベータブックス)
- 『学びの技法』(共著、2019年、名古屋外国語大学出版会、担当「近代オリンピック選手団を考察する視座」pp.125-140)
最も影響を受けた人
音楽は勿論のこと楽曲のテーマについても、「そもそも」を多角的な視点で把握し作曲をしている坂本龍一さんに、今も、影響を受けています。坂本さんは、異なる時代やジャンルの音楽、例えば、雅楽、グレゴリオ聖歌、ボサノバなどの要素を楽曲に取り入れるなど、坂本さんにしかできないオリジナリティーを創造しています。また、フランス現代思想や美術様式などがタイトルになっている楽曲があり、それらの概念を理解して聞くと、それまでとは全く違う世界が、「なるほど!」と広がりました。坂本龍一さんの音楽には、基本を理解した上で、異なるものを融合させた奥深い世界観があります。このことに気付いたロンドン大学1年次以降、教養を土台にし「Connecting the Dots」というアプローチを、学びそして仕事の姿勢にし続けています。