SDGs国際協働演習(スプリングスクール)を高知県須崎市で実施

2026年3月23日 | 学生の活動報告

英語を共通言語に災害と地域の未来を“教材”として形にする5日間

2026年2月9日から14日までの5日間、高知県須崎市で実施された「SDGs国際協働演習」に、国際教養学科の学生が参加しました。本演習は、英語を共通言語として、国際教養学科の学生をはじめ国内外の学生が混成チームを組み、地域課題の解決に向けてフィールドワークから分析、提案までを集中的に行う実践型プログラムです。

2027年度オープン予定の新施設を題材に「いつも」と「もしも」をつなぐ

今回のテーマは、須崎市で建設が進む図書館等複合施設(2027年度オープン予定)です。この施設は、市民が地区への愛着や誇りを取り戻し、人口減少の中でも暮らしと文化をつなぎ・残していくための拠点として期待される一方、施設が津波浸水地区に位置することから、利用者の円滑な避難をどう担保するかが重要な課題でもあります。

そこで本演習では、施設を核に、市民や観光客が日常の中で自然に防災へ意識を向けられるよう、「いつも(平時)」と「もしも(災害時)」を結びつける学びの仕掛けを検討しました。

5日間のプログラムでは、学生たちは英語による講義とディスカッションを基礎に学びながら、街歩きや関係者へのインタビューを通して地区を実際に体感しました。、そこで得られた情報をエビデンスベースで分析し、その結果をもとに、シミュレーション&ゲーミングの手法を用い、防災意識と場所への愛着を同時に育む学習教材(プロトタイプ)を開発しました。さらに、教材を効果的に活用するための「場:BA(場所・機会・ワークショッププログラム)」のあり方についても提案を行いました。

磨き上げた成果を行政へプレゼン。高評価を獲得

学生たちはプレゼン終盤の2日間、時間の許す限り準備に取り組み、教材の完成度を高めました。最終日(2月14日)には、高知県防災部局および須崎市役所に向けて成果発表を実施しました。完成したプロトタイプについては、「教材としてぜひ完成させてほしい」といった高い評価のコメントが寄せられました。

国際教養学科2年の斎藤芹奈さんは最終プレゼンで、ゲーミング教材の説明に加え、デモンストレーションも担当しました。英語でわかりやすく伝える工夫を凝らし、チームの成果を力強く発信しました。

国内にいながら、“英語で考え、伝える”が当たり前になる学び

参加者は、高知大学、名古屋外国語大学、立命館大学大学院、インドネシアのタンジュンプラ大学、台湾の曁南国際大学などから集まった約20名。さらに高知県の太平洋学園、須崎市内の中学校・高校の生徒も参加し、国籍や年齢を超えた多様性の高い学習環境が実現しました。

「国内にいながら、英語で考え、英語で合意形成し、英語で社会に提案する」。そのような学びを当たり前のものとして体験できる、刺激的な集中講義となりました。

国際教養学科2年生の斎藤芹奈さんのコメント

防災の学び

専門家の方々と実際に市内を歩きながら避難経路を確認するフィールドワークを通して、防災は机上の理論だけではなく「現場を知ること」から始まるのだと実感しました。

また、津波浸水想定区域に建設予定の図書館複合施設を題材に、「いつも」と「もしも」をどう結びつけるかを考えることで、日常と防災を切り離さないまちづくりの重要性を学びました。

さらに、行政職員の方々によるプレゼンテーションや質疑応答を通して、自治体がどのような視点で防災や地域づくりに取り組んでいるのかを具体的に知ることができました。

オールイングリッシュのプログラムに関して

母国語ではない言語で自分の意見を伝える難しさを強く感じました。言いたいことがあっても、すぐに言葉にできないもどかしさを経験しました。一方で、言語の壁を越えて伝えようとする姿勢や、相手の意図を汲み取ろうとする姿勢の大切さも学びました。この経験を通して、自分の表現力をさらに高めたいという新たな目標が生まれました。

様々な学生との出会い(これが1番感じた感想)

都市計画、国際関係、防災、医療など、普段の大学生活ではなかなか関わることのない分野を学ぶ学生と議論できたことも大きな学びでした。異なる視点が交わることで、一つのテーマに対する理解がより多角的で豊かなものになると感じました。自分とは異なる専門性を持つ人の考え方に触れることで、「正解は一つではない」ということを実感し、議論の質が高まっていく過程を体験することができました。

実施体制

<主催> 高知大学 地域協働学部 地域防災・コミュニティ再生研究室/(一社)防災活動支援センター
<共催> 須崎市/サッサリ大学/名古屋外国語大学
<協力> 特定非営利活動法人暮らすさき/総合防災対策推進須崎地域本部/須崎中学校/須崎総合高校/佑・防災企画製作